家の中に潜むダニの多くはチリダニですが、チリダニは人を刺しません。人を刺すのは「ツメダニ」です。
しかし、ツメダニと聞いてもどんなダニなのか、チリダニとの違いが分からないという方が多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、ツメダニの見た目や生態、潜んでいる場所について解説します。
また、ツメダニに刺された場合の対処法や、家の中にいるその他のダニについても紹介しますので、ツメダニについて気になる方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事の監修医師】伊藤 幹彦(内科・皮膚科医)
・専門
日本外科学会認定外科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
・認定資格
日本医師会認定産業医
・経歴
東京医科大学卒業
東京医科大学 第2外科(心臓血管外科)入局
東京医科大学霞ヶ浦病院 循環器外科助手(現 東京医科大学茨城医療センター)
東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科などを経歴
東京医科大学第2外科助手
新潟こばり病院(現 新潟医療センター 心臓血管外科)
東京警察病院外科 医長を経歴(血管外科責任者)
※この記事は医学的知識に関してのみ専門家に監修を依頼しております。商品について医師が推薦を行うものではありません
目次
人を刺す!ツメダニの見た目と特徴
屋内に潜むダニの多くは、人を刺さない「チリダニ」ですが、中には人を刺す「ツメダニ」が潜んでいる場合もあります。
まずは、ツメダニの見た目や特徴について紹介します。
ツメダニの特徴と大きさ
ツメダニは、体が淡い黄色をしており、体長は約0.5mmほどのとても小さい生き物です。そのため、ツメダニを目視で確認することは難しいと考えておきましょう。
また、ツメダニはオスとメスで形状が異なるのも特徴的です。形状は異なるものの、オスメスどちらも人を刺します。
日本では「ミナミツメダニ」「フトツメダニ」 などが見られます。
ツメダニの生態
ダニは基本的に、食べ物の食べこぼしや人のフケ・アカなどをエサとして繁殖します。
しかし、ツメダニは他の昆虫や「ダニ」をエサとして捕食します。
そのため、チリダニやコナダニなど他のダニが発生する場所には、それを捕食するツメダニも発生するということになります。
ツメダニを増やさないためには、他のダニを増やさないことがとても大切なのです。
ツメダニの発生場所
ツメダニは他のダニを捕食するため、ツメダニの発生場所は他のダニと共通しています。
特に家屋内で発生するダニの80%以上はチリダニが占めているため、チリダニが発生する場所には、ツメダニも発生しやすくなります。
以前までツメダニは、畳でよく見かけられましたが、畳を使用する家が減ったため、現在はじゅうたん・カーペット・ソファ・布団などでよく見られます。
ツメダニに刺された時の症状と治療方法
ツメダニに刺されると、具体的にどのような症状があらわれるのでしょうか?
ここでは、実際にツメダニに刺された時に見られる症状や、刺された時の対処方法について紹介します。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
ダニ刺されの具体的な症状
ツメダニに刺された場合の症状は「強いかゆみ」が特徴的です。
また、蚊に刺された時のかゆみのように、刺されてすぐにかゆみが出てくるわけではなく、刺されてから数時間〜数日後にかゆみが出てくるのが特徴です。
かゆみは1週間〜10日間と長く、刺された跡も残ってしまいます。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
ダニ刺されと虫刺されの違い
ダニ刺されと虫刺されの違いは「かゆみの期間」と「刺される場所」です。
前述のとおり、ダニ刺されは、刺されてから数時間後から数日後にかゆみを発症する場合が多いです。
また、蚊に刺された場合は比較的短い期間で治りやすいですが、ダニ刺されはかゆみが長引くことがほとんどです。
さらに、蚊の場合は腕や足など露出している部分を刺されやすいですが、ダニ刺されは「お腹から股」「脇腹から二の腕」など、露出していない部分が刺されやすいです。
お腹や内股などに刺された跡がある場合は「ダニ刺され」の可能性があるため、注意が必要してください。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
ダニに刺された時の対処法
ツメダニに刺されて、皮膚にかゆみが生じた場合は、通常の虫刺されと同じ対処の仕方で問題ありません。
ただし、激しくかくと「とびひ(伝染性膿痂疹)」になってしまうため、かゆい場合でも、あまりかきむしらないように注意しましょう。
市販のかゆみ止めを塗ることで、かゆみが軽減されるケースがほとんどですが、それでもかゆみが全く引かない場合は、抗ヒスタミン剤やステロイドなどの内服薬が必要になります。
かゆみの症状がひどい場合は、早めに皮膚科などを受診することをおすすめします。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
ツメダニ以外で家の中に潜んでいる屋内ダニの種類
家の中には、ツメダニ以外にも数種類のダニが存在しています。ここでは、家の中に潜むダニについて紹介します。
ヒョウヒダニ
コナヒョウヒダニ
ヤケヒョウヒダニ
家の中に生息しているダニの代表格なのが「ヒョウヒダニ」で、チリダニとも呼ばれています。
家の中に潜むダニの80%以上はヒョウヒダニだと言われており、日本にいるヒョウヒダニは「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」の2種類であることがほとんどです。
ヒョウヒダニが人を刺すことはありませんが、ヒョウヒダニのフンや死骸は、アレルギー性疾患の原因になることで知られています。
喘息・アトピー性皮膚炎・鼻炎の原因になるため、特に赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では注意してください。
コナダニ
コナダニは、畳がある和室などに発生しやすいダニの種類で、繁殖力が高いのが特徴です。
日本の家に発生するのは特に「ケナガコナダニ」と呼ばれる種類で、和室以外に穀物倉庫で大量発生することもあるため、「貯蔵庫ダニ」とも呼ばれています。
体長は約0.4mm、体は白色です。チリダニ以上に湿度の高い環境を好みます。
人を刺すことはありませんが、コナダニが増えると、それをエサとするツメダニも増えるため、注意が必要です。
ニクダニ
ニクダニは、コナダニと非常に習性が似ています。
チリダニよりも高い湿度環境を好み、体長・色、穀物倉庫に大量発生する点などが共通しています。
日本では「サヤアシニクダニ」「イエニクダニ」がよく発生します。
また、一部のニクダニは「寒くても繁殖する」という特徴を持ち、イエニクダニは10〜15℃の低温を好むため、冬にも対策が必要なダニです。
家の外から入ってくることがある屋外ダニの種類
ダニは家の中だけでなく、外から入ってくる屋外ダニもいます。屋外ダニは、外から気付かずに持ち込んでしまう可能性もあるため、どんな種類なのかを見てきましょう。
マダニ
マダニは代表的な屋外ダニで、シカやイノシシなどの動物に付着していることが多いです。
家の中に生息するダニと比べてかなり大きく、体長は3〜4mmほど。これは肉眼でも確認できる大きさです。
マダニは山林以外にも、草原や畑に生息していることがあり、散歩中の犬に付着することもあります。
また、マダニは感染症を引き起こすことでも知られています。感染症の種類によっては命にかかわることもあるため、注意が必要です。
イエダニ
「イエダニ」という名前ですが、家の中ではなく、屋外ダニの1種とされています。
イエダニはネズミに付着していることが多く、ネズミが屋内に入ることによって、イエダニも一緒に入り込んできます。
マダニほど凶悪な感染症はないものの、イエダニには吸血性があるため、吸血被害により皮膚炎が発症することがあります。
ダニはアレルギーの原因にも!
ツメダニに刺されることによる皮膚の炎症以外にも、ダニの種類によっては喘息や鼻炎などのアレルギー性の疾患を発症する場合があります。
ここでは、ダニが引き起こすアレルギー性の疾患について紹介します。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
アレルギーの原因になるのはチリダニ
ダニ刺されの原因となるダニの種類は「ツメダニ」ですが、アレルギーの原因になるのは、「チリダニ」です。
チリダニは、家の中に最も多く潜んでいるダニのため、アレルギー性疾患に大きく関係しています。
アレルギーの原因となるのは、チリダニのフンや死骸です。
「アレルギー性鼻炎」や「小児喘息」を患っている子どもの場合、チリダニのフンや死骸を吸うことで、10人のうち6~8人は症状が出るとされています。
子どもをダニアレルギーから守るためには、チリダニのフンや死骸を定期的に除去すること、また生きているチリダニを減らすことが必須となります。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
ダニに関係する3つのアレルギー疾患
ダニに関係するアレルギーには、主に3つの代表的なアレルギー疾患が存在します。
ここでは、ダニのアレル物質によって引き起こされるアレルギー性疾患について、詳しく解説していきます。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
アレルギー性疾患1.アトピー素因とアレルギーマーチ
遺伝的にアレルギー疾患にかかりやすい素質のことを「アトピー素因」と呼びます。
また、これを持つ乳児が成長と共に、アレルギー性疾患を発症していく様子を表したものを「アレルギーマーチ」と呼びます。
アトピー素因のある子どもは、傾向としてアトピー性皮膚炎・食物アレルギー→気管支喘息→アレルギー性鼻炎・結膜炎の順に発症しやすいと言われています。
子どもが乳児の時期から、ダニのアレル物質に触れないように、しっかりと対策しておくことが大切です。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
アレルギー性疾患2.喘息、鼻炎、結膜炎
喘息(小児喘息)・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎は、「発病因子」としてダニが大きく関係しています。
ダニのフンや死骸がアレル物質として、これらの疾患を発病するきっかけとして作用します。
しかし、小児喘息のほとんどは症状が好転、または消失するとされており、回復する率が高いアレルギー性疾患です。
また、アレルギー性鼻炎や結膜炎は「通年性」と「季節性」があり、通年性の原因は「ダニ」、季節性の原因は「スギ」が圧倒的に多いとされています。
治療⽅法としては、服薬、点眼薬や点⿐薬を使⽤する、免疫⼒を⾼めるといった⽅法があります。
近年は、スギ花粉症の治療にも利⽤されている⾆下免疫療法も、ダニアレルギーの治療法として適⽤可能になりました。
しかしながら、アレルギーの原因となるダニの対策をしなければ、根本的な解決にはなりません。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
アレルギー性疾患3.アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、まだ解明されていない部分が多い疾患ですが、有症率が高い皮膚炎の一つです。
両親にアトピー性皮膚炎の既往がある場合、75%の高確率で子どもも発症する可能性があると言われています。
アトピー性皮膚炎は、ダニのアレル物質が体内に侵入して皮膚炎を起こし、それを引っ掻いてしまうことで症状が悪化します。
また、アトピー性皮膚炎は人間だけではなく、屋内で飼っている犬も発症する場合があります。
アトピー性皮膚炎は、服薬や外用薬、スキンケアなどで治療しますが、ダニ対策もしっかりと行い、アレル物質に触れない生活を心がける必要があります。
【監修医師】伊藤 幹彦 医師
そもそもダニはどんな環境で発生するの?
ダニはどのような環境で発生しやすくなるのでしょうか?ここからは、ダニが特に発生しやすい条件、環境について解説します。
温度と湿度が高い場所
ダニはとにかく温度と湿度が高い場所を好みます。
ニクダニのように比較的低温を好むダニもいますが、ほとんどのダニは高温多湿な環境を好みます。
特にチリダニは温度20〜35℃、湿度60%Rh以上の環境下で繁殖しやすく、春から夏にかけて一気に繁殖が始まります。
現代の居住環境は、風通しが昔に比べて悪く、閉じられた空間が多いため、ダニにとっては快適に過ごせる環境が整っているのです。
ダニのエサがある場所
ダニは、人間のフケやアカ、食品の食べかす、ホコリなどをエサとしており、特に布団やソファ、カーペットなどに多く潜んでいます。
また、ダニは「潜り込める場所」にも多く生息しています。そのため、布団やソファの表面にダニスプレーなどをしても、奥に潜り込んだダニには効果が薄くなってしまうのです。
【発生場所別】ダニの対策方法
ダニは家の中のいたる所に潜んでいるため、それぞれの場所にあわせたダニ対策が必要です。
ここでは、ダニが特に発生しやすい場所別に、具体的なダニ対策の方法を紹介します。
布団
布団やベッドなどの寝具類は、人の汗や体温などで湿度が高くなりやすいです。
また、寝ているうちに落ちるフケなどがダニのエサとなってしまいます。そのため、布団は家の中でも、特にダニが繁殖しやすい場所なのです。
布団のダニ対策としては、下記のようなものがあります。
- 定期的に天日干しをする
- 寝室の風通しをよくする
- シーツはこまめに洗濯する
なお、布団の天日干しのあとは、ダニのフンや死骸、人のフケなどのエサを除去するために、掃除機をかけることをおすすめします。
湿気対策と布団のエサ対策をあわせることで、ダニが苦手な環境を保っていきましょう。
関連記事:布団のダニに要注意!種類と症状、正しいダニ対策を徹底解説
マットレス
マットレスも布団と同様、高温多湿になりやすく、ダニのエサが豊富なためダニの生息場所となってしまいます。
マットレスは内部に空間があるぶん、布団と比べるとダニが生息しづらい環境ではありますが、マットレスを使う際は「すのこの上に置く」あるいは「すのこのように通気性の高いベッドに置いて使う」のがおすすめです。
また、マットレスの表面などに溜まりやすいフケなどは、掃除機がけで定期的に除去しましょう。
なお、敷布団の下に敷くような薄型のマットレスは、敷布団と同様に天日干しをして、溜まった湿気を解放するようにしてください。
カーペット
カーペットは湿気が溜まりやすく、布団やマットレスと同様にフケやアカがよく落ちる場所です。また、食べかすが落ちることもあるため、ダニにとって絶好の生息場所でもあります。
カーペットは天日干しが難しいので、部屋の通気性を高くし、湿気を溜めないようにしましょう。なお、ダニのエサを除去するために、掃除機を定期的にかけることが大切です。
掃除機はパイル目に逆らいながら、ゆっくり繰り返しかけることで、ダニのエサを吸い込むことができます。
畳
意外と畳も湿気が溜まりやすいです。畳の部屋で寝ている場合は、ダニのエサとなる人のフケなどが落ちるため、繁殖しやすい場所となります。
ダニ対策として、畳の目に沿ってゆっくりと掃除機をかけましょう。その後は、水気を取った雑巾で表面を拭き、可能であれば畳を立てかけて乾燥させましょう。
畳は表面よりも裏面のほうが、湿気が溜まりやすくダニが潜り込むため、できれば裏面も定期的にお手入れすることをおすすめします。
ソファ
ソファの場合は、特に布製のソファにダニが繁殖しやすくなります。
布製のソファは、中に湿気が溜まりやすく、表面にはフケやアカ、食べかすが落ちるため、ダニとしては最適な環境が整っています。
対策としては、表面にこまめな掃除機がけをしてエサを除去し、外せるパーツは天日干しにして乾燥させることで、湿気も開放しましょう。
関連記事:押入れのダニ対策!クローゼットや衣装ケースでの正しい対策方法を紹介
ダニ被害の根本的な解決方法は「生きたダニ」を減らすこと
ダニの被害を防ぐためには、「生きたダニ」を減らすことが大切です。ここからは、生きたダニを退治する方法について解説します。
ツメダニ対策は「チリダニ」を減らすことが大切
ダニ刺されによるかゆみを防ぐためには、家の中に発生する「ツメダニ」を減らす必要があります。
ツメダニを減らすためには、ツメダニがエサとする「チリダニ」などのダニを減らすことが最も効果的な方法です。
特に家の中に最も多く潜んでいるチリダニを減らすと、それにあわせてツメダニも減っていきます。
中でも、簡単・手軽に効率よく「生きたダニ」を退治できるダニ対策グッズ「ダニ捕りロボ」がおすすめです。
ダニ捕りロボとは具体的にどのような商品なのかを、次項で詳しく見ていきましょう。
生きたダニ退治にはダニ捕りロボがおすすめ!
「ダニ捕りロボ」は、日革研究所が独自に開発した「ダニ乾燥捕獲技術」により、生きたダニを捕獲・退治できるダニ対策グッズです。
商品のマット内部には、ダニが好む「誘引剤」が仕込まれており、おびき寄せられたダニがマット内部に潜り込んでいきます。
商品内部に潜り込んだダニは、誘引剤に含まれる「吸湿性セラミック」によって、体の水分を奪われ、「乾燥」することで退治できます。
商品はマットごとゴミ箱に捨てるだけの手軽さで、ダニのフンや死骸が外に出ることはありません。
また、ダニ捕りロボは化学性殺虫成分を一切使用しておらず、天然由来の成分でつくられているため、子どもやペットのいる家庭でも安心して使用できます。
今すぐ手軽にダニ対策を始めたい方は、ダニ捕りロボを一度試してみてはいかがでしょうか?