小さなお子さんがいるご家庭では、子どものぬいぐるみの「ダニ」が気になるという方も多いのではないでしょうか。
ダニはアレルギーの原因になることもあるため、お子さんが大切にしているぬいぐるみに潜むダニを放置するのはできれば避けたいですよね。
この記事では「子どものぬいぐるみに潜むダニをどうにかしたい」「子どもがダニに刺されないか心配」「衣類のダニ対策は必要なのか」などの不安がある方のために、ぬいぐるみや衣類に潜むダニ対策について解説していきます。
お子さんをダニから守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
ぬいぐるみや衣類に潜むダニの種類
ぬいぐるみや衣類には、どのような種類のダニが潜んでいるのでしょうか。ダニはその種類によって、人に与える影響が違ってきます。
日本には約2,000種類ものダニが生息しているといわれていて、屋内に生息しているのは、そのうちの約40~50種類程度です。また、総数の80%程度はチリダニと呼ばれるアレルギーを引き起こす種類のダニが占めています。
このチリダニは、人間にとっても身近な存在であり、人間が過ごしやすい環境であれば、チリダニにとっても過ごしやすい環境といえます。そのため、多くのチリダニが身近で発生・繁殖しています。
では、具体的にチリダニなど室内に潜むダニにはどんな特徴があるのか、また刺されるとどうなるのかについて確認していましよう。
チリダニとツメダニの特徴
家屋内に生息するダニのうちの多くは、チリダニとツメダニです。どちらのダニも、一生を家屋内で過ごす種類であり、人に健康被害を引き起こすダニでもあります。
ダニについて詳しく知ることで、有効な対策を立てることもできます。どのような健康被害を引き起こすのか、ダニの特徴とともに詳しく解説していきます。
チリダニ(ヒョウヒダニ)
チリダニは、家屋内で繁殖するダニの中でもっとも数の多いダニです。繁殖力も強く、環境が整えばほんの3か月ほどで数百倍に増えてしまいます。
もっとも繁殖しやすいのは梅雨以降の湿度が高い時期であり、気温が25~30℃、湿度が70%程度のころです。
チリダニの糞や死骸は人体にアレルギー症状を引き起こし、アトピーや喘息、アレルギー性鼻炎などの症状が報告されています。
ツメダニ
ツメダニは、屋内で検出されることはあまりありませんが、チリダニをエサとしているため、チリダニが増えてくるとツメダニも増えてきます。
特に秋口にツメダニが繁殖しやすく、注意が必要です。ツメダニはまれに人を刺すことがあり、刺されると酷いかゆみを発症し、そのかゆみは数日間続きます。
刺されるとかゆみを引き起こす
先にも紹介しましたが、ツメダニは人を刺すことがあります。ツメダニに刺されると、強烈なかゆみに襲われます。
しかし、ダニに刺されてもすぐにかゆみが出るわけではなく、刺されてから発症までに数時間から数日かかります。
かゆみが現れると、1週間以上にわたってかゆみに襲われ続けてしまうのが大きな特徴です。
といっても、それが「ダニに刺された」と断定することは難しいので、なかなかかゆみの原因がわからないこともあります。
刺された痕は長く残り、あまりに掻きすぎると「とびひ」という皮膚の感染症になってしまうこともあるため、注意が必要です。
ダニのエサは人の皮脂やフケ
家屋内に発生するダニの多くはチリダニであり、チリダニがエサにするのは人間のフケやアカです。
そのため、チリダニは布団などの寝具によく発生し、環境が整うことであっという間に数百倍にも増えてしまいます。
もちろん寝具だけでなくカーペットや畳などにも発生しやすいため、気を付ける必要があるでしょう。
とはいえ、常日頃から掃除機をかける・湿度を開放する・布団を天日干しにするなどの対策を取ることで、エサとなる皮脂やフケ、繁殖に重要となる湿気を取り除き、ダニの発生や繁殖を予防することができます。
【生きたダニの対策編】ぬいぐるみや衣類の生きたダニの対策方法
お子さんの大切なぬいぐるみや衣類に、チリダニなどのダニがついているかもしれないと考えると「すぐにでも退治したい!」と考える方が多いのではないでしょうか。
ぬいぐるみや衣類についているダニ対策のポイントは、「ダニの退治」と「ダニアレル物質の除去」です。
どれもダニ対策として重要ではありますが、ここでは特に「ダニの退治」について詳しく解説していきます。自分でできそうな方法から試してみてください。
60℃以上のお湯に浸ける
ぬいぐるみや衣類の場合、お湯に浸けるという方法があります。
温度が高ければ高いほどダニには効果的ですが、あまり熱いお湯に浸けるとぬいぐるみや衣類が傷んでしまうため、注意が必要です。
そもそもダニという生き物は、60℃以上の高温に15分以上さらし続けることで死滅する生き物です。
そのため、60℃以上あるなら特に問題はありません。おすすめの方法としては、ぬいぐるみや衣類を浴槽の底に置き、60℃のお湯をためるというものです。
お湯へは10分程度浸けておくと、ダニを死滅させることができるでしょう。
特にぬいぐるみは中までダニが入り込んでいる可能性があるため、この方法が確実でおすすめです。
スチームアイロンを使う
大きな布団やカーペットには難しいですが、衣類やぬいぐるみであればスチームアイロンを使うという方法もあります。
大きなものではかけるのも手間がかかり大変ですが、小さなぬいぐるみ程度であれば比較的アイロンもかけやすいでしょう。
スチームアイロンは100℃まで出せるため、ぬいぐるみの表面に潜むダニに効果的です。
ただし、ぬいぐるみのサイズやアイロンの機種によっては、スチームがぬいぐるみ内部に到達せず、ダニを完全に死滅させるのが難しい可能性があります。
実際にダニを死滅させるには100℃まで上げる必要はありませんが、できるだけ高温のほうがいいことは確かです。
とはいえ、直接高温のスチームアイロンを押し当てるとぬいぐるみや衣類が傷んで痛んでしまうこともあるため、濡れたタオルかハンカチで当て布をしてスチームを使うようにしてください。
全体にまんべんなく、スチームアイロンを当てるようにしましょう。
自宅またはコインランドリーの乾燥機を使う
確実にダニを退治したいのであれば、自宅かコインランドリーの乾燥機を使うといいでしょう。
ダニは高温と乾燥に弱いため、乾燥器はとても効果的です。
乾燥機に入れば衣類でなくてもダニ対策として効果的なため、乾燥機にかけることでダニを死滅させる事ができます。
しかし、ぬいぐるみの場合、そもそもが乾燥機には使えない材質のぬいぐるみもあるので、安易に乾燥機にかけないようにしましょう。
そういったぬいぐるみは乾燥機に入れると中の綿が偏ったり元に戻らなかったりする場合があるので、特にお子さんがお気に入りのぬいぐるみの場合は注意が必要です。
専門のクリーニングを利用する
もしも乾燥機が使えないぬいぐるみなら、専門のクリーニングを利用するという方法もあります。
ぬいぐるみはクリーニングができない場合もありますが、専門のクリーニング店へ持ち込むことでぬいぐるみに適したクリーニングをしてもらうことができます。
クリーニングで内部まで入り込んだダニの死骸や糞を除去して、最後に高温で乾燥してもらうことができればぬいぐるみからきれいにダニを取り除くことが可能です。
利用するクリーニング店では、持ち込んだぬいぐるみが対応可能なのかを事前に確認することをおすすめします。
ダニシートを使う
部屋全体のダニ予防対策としては、ダニシートも有効です。生きているうちに捕獲するという方法ですが、ダニシートには2種類あります。
ひとつは粘着力のあるテープを使用したもの、もう一つは乾燥しているシートでダニを乾燥させるタイプです。
ダニ対策をするためには、シートごとの特徴や適切な使い方を知っておくことが重要です。
粘着タイプ
粘着タイプのダニシートは、ダニを生きたまま捕獲するためのシートです。
ダニが好きな香りを使って誘引し、粘着テープの上におびき寄せて捕まえるというものです。
とはいえ、粘着テープは体重がある程度ある生物にはよく効きますが、ダニは体重が軽すぎるため、一部の粘着タイプはダニがひっつかず歩き回っているという検証データもあります。
これにより、ダニが捕獲できずにシートの外にでてしまうほか、シートの中で繁殖してしまうという恐れもあります。
乾燥タイプ
乾燥タイプは、ダニの気に入る香りで誘い出すのは粘着タイプと同じです。
ただし、乾燥タイプは捕獲するのではなく、商品の中におびき寄せたダニを、特殊な成分で体中の水分を取り、ミイラのように乾燥させて退治するというものです。
商品の中で退治できるのでダニの死骸や糞が外にでることもなく、そのまま中身を廃棄できますので、ダニアレル物質が外にもれることなく、安心して利用することができます。
【除去編】ぬいぐるみや衣類のダニアレル物質を除去する
ぬいぐるみや衣類についた生きたダニを完全に退治したあとは、残ったダニの糞や死骸などのダニアレル物質を除去する必要があります。
ダニアレル物質とは
まずは、そもそも「ダニアレル物質とは何か」について触れていきましょう。
実は生きたダニよりも、ダニの死骸や糞がアレルギーの原因に強く関わっています。
ダニの死骸や糞は目には見えないチリの様な小さなものなのですが、ぜんそくやアトピー、通年性アレルギー鼻炎などの症状を引き起こす主要アレル物質となります。
特にお子さんはぬいぐるみなどを顔や口に近づけて遊ぶことが多いため、見えないダニの死骸や糞を気付かない間に吸い込んでしまう可能性があります。
そのため、お子さんがお気に入りのぬいぐるみや洋服は、ダニの退治だけでなく、アレルギーの原因となるダニの死骸や糞もしっかりと除去する必要があるのです。
除去方法1.ぬいぐるみや衣類を手洗いする
ぬいぐるみからダニアレル物質を除去する方法としては、まずは手洗いがおすすめです。
洗面器にぬるま湯を入れてぬいぐるみと洗剤を入れてからゆっくりともむように洗いましょう。
ぬいぐるみによっては洗濯機でも問題はないのですが、綿が寄ったり型崩れをしたりといったことも考えられるため、手洗いのほうが安心して洗えます。
ちなみに、洗剤はおしゃれ着洗剤を使ってください。通常の洗剤を使うよりは傷みにくく、色落ちもしづらいです。
きれいに洗えたら、しっかりとすすぎましょう。すすぎが終わったら、ふわふわ感を取り戻すため、柔軟剤もおすすめです。
しっかりとすすぎ終わったら水気を取って脱水します。脱水は洗濯機でも構いませんが、型崩れには注意しましょう。
除去方法2.掃除機で吸い取る
ダニアレル物質の除去方法としてもう一つおすすめなのが、掃除機で吸い取るというものです。
ぬいぐるみをしっかりたたいて中に隠れている死骸や糞を表面に出し、掃除機でまんべんなく吸い取ります。
また、吸い取るときには掃除機の吸引力をMaxまで上げておくようにしましょう。ただし、吸引力が弱い掃除機では、ダニアレル物質をしっかり吸い取れない可能性があります。
さらに、掃除機では、繊維の奥に潜む生きたダニを吸い取ることはとても難しいです。
ダニは非常に軽いですが、その足の表面には吸盤がついており、この吸盤の効果により掃除機では生きたダニが吸い取りにくいのかもしれません。
そのため、できるだけ吸引力が高い掃除機を使用することがポイントですよ。
ぬいぐるみは子どもの宝物!お子さんのためにすぐにダニ対策を始めよう
ぬいぐるみは、お子さんにとって特別な宝物ですよね。
そんなお子さんの大切なぬいぐるみにダニが入り混んでしまうと、ダニアレル物質によりアレルギー症状がでてしまう可能性があります。
ぬいぐるみのダニ対策としては、まずは高温や乾燥、乾燥タイプのダニ捕りシートでダニを退治し、そのあとには天日干しをしましょう。
天日干しが終わったら、ダニの死骸や糞などをぬいぐるみから追い出して、掃除機などで吸い取ってください。
ダニを退治することが一番の予防策となるため、手軽にできるお部屋のダニ対策としておすすめなのが、日革研究所の「ダニ乾燥捕獲」技術を活用した「ダニ捕りロボ」です。
ダニ捕りロボは、商品の内部にダニが好む匂いの誘引剤が仕込んであるので、気になる場所に置くだけでダニをひきつけます。
その匂いに誘われたダニがマットの中に入ってきますが、商品の中に入ったダニは、誘引剤の中の「吸湿性セラミック」が付着して体の水分が奪われ、退治できるという仕組みです。
使い終わったら中の誘引マットを捨てるだけの手軽さです。また中身を新しいマットと交換すれば、何回も継続して使用を続けられます。
薄くて小さいので場所も取らず、天然由来の成分を使用しているので、小さなお子様にも安心ですよ。
お子さんのためのダニ対策に、ダニ捕りロボを試してみてはいかがでしょうか。