私たちの生活にとって、ダニは恐ろしいものであり、アレルギーを引き起こす脅威的な存在です。
特に高温多湿になりやすい夏場は、ダニにとって過ごしやすい環境になり、ダニのフンや死骸等のアレル物質も増加しやすい傾向にあります。
では、実際にどれくらいの温度であれば、ダニを死滅させることができるのでしょうか?
この記事を通して温度によるダニ対策について知っていただくために、ダニアレルギーに関係するダニを高温で退治できるか、私たち日革研究所が調査してみました。
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目次
【実験で確かめてみた】チリダニは高温に強いの?弱いの?
チリダニが好む温度は30℃と言われていますが、今回の実験では40℃・50℃・60℃という環境の中でチリダニがどれぐらい生き残ることができるのか実験しました。
実験の手順
今回の「ダニの高温抵抗性の検証」の手順は以下の通りです。
①あらかじめ40℃・50℃・60℃に温めておいたダニ飼育培地に各種チリダニを放つ。
②各温度に設定したプラスチック容器にチリダニを静置。容器内の湿度は飽和食塩水を用いて約75%Rhに保った。
③時間経過ごとの各種チリダニの生存率を計測。
実験結果:短時間でチリダニを死滅させるには「50℃以上」が必須!
今回の実験により、チリダニが死滅するまでに要する時間は下記の通りとなりました。
- 40℃の環境:2〜3週間程度
- 50℃の環境:2〜6時間程度
- 60℃の環境:15分以内
チリダニの高温における抵抗実験(パーセント数値は生存率を示す)
ヤケヒョウヒダニ | コナヒョウヒダニ | |
40℃の環境 |
1日後:92.3% 14日後:7.8% 21日後:0.1% |
1日後:69.5% 14日後:0% |
50℃の環境 |
1時間後:66.2% 2時間後:27.2% 6時間後:0% |
1時間後:13.8% 2時間後:0% |
60℃の環境 | 15分後:ともに0% |
参考元:ダニの高温抵抗性の検証
今回の実験結果では、40℃の環境では、迅速にダニが死滅するということはなかったものの、2~3週間でほぼ全てのダニが死滅しました。
また50℃という環境では、比較的早く死滅が見られ、2~6時間で全てのダニが死滅しました。
さらに、60℃という環境では、15分以内というかなり早い段階で全てのダニが死滅したという結果となりました。
40℃という高温でも全てのダニを退治するのに2〜3週間かかってしまうので、ダニを早く完全に退治するには、50℃以上の環境を作ることが必須と言えるでしょう。
また、コナヒョウヒダニよりもヤケヒョウヒダニのほうが高温に対して強いため、40℃・50℃の環境下でダニの死滅時間に大きな差が出ました。
ただし、60℃の環境では全てのダニが15分以内に死滅したため、ダニの種類にかかわらず、60℃の環境ではダニは長時間生存できないことが分かります。
ダニ対策ができる高温を実現させるにはどうするの?
上記の実験結果の通り、ダニを完全に退治するためには50℃以上の環境が必須であることが分かりました。しかし50℃という環境はどうすれば作れるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、どのような対策をすれば50℃以上の環境を作れるのか、具体的な方法について紹介します。比較的手軽にできる対策方法を中心に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.「天日干し」は50℃以上になるの?
家庭でできるダニ対策として多くの人が思いつくのが、布団などの「天日干し」ではないでしょうか。
しかし、天日干しではダニが死滅する50℃以上の環境を作るのは難しく、ダニを完全に退治するという効果は期待できません。
ただし、天日干しには布団の湿度を下げてダニが苦手な乾燥した環境を作れるというメリットがあるため、ダニの退治は難しいですが「ダニが住みづらい環境づくり」にするために天日干しは重要になります。
2日に1回など定期的に布団を天日干しをすることによって、ダニの繁殖を防げます。
ただし天日干しを行っても人間のフケやアカが布団に残っていると、それをエサにしてダニが繁殖してしまうので、エサを掃除機で吸い取るのもおすすめです。
関連記事:布団のダニに要注意!種類と症状、正しいダニ対策を徹底解説
2.「洗濯乾燥機」や「アイロン」じゃだめなの?
家庭用の洗濯乾燥機やアイロンは60℃以上の高温が出るので、温度という観点ではダニを退治するのに効果的です。しかし問題になるのは「何に対して使用するのか」という点です。
例えば、洗濯乾燥機の場合は60℃以上の熱で乾燥させるので、ぬいぐるみやシーツ、小さなラグなど洗濯機に入るサイズのアイテムのダニ対策には効果を発揮します。
しかし、敷布団やじゅうたんはそもそも家庭用の洗濯機に入らないため、洗濯乾燥機ではダニ対策ができません。
アイロンも、スチームを利用すると100℃近く熱が出るので、ダニを退治するという意味では効果があります。ただし、布団のような大きいものだとアイロンにかなり手間がかかりますし、奥行きのあるアイテムの場合は熱が届かず、効果が弱くなってしまいます。
このように、洗濯乾燥機やアイロンは、使えるアイテムが限定されるということに注意が必要です。あるいは素材によっては、洗濯乾燥機やアイロンが使えない場合もありますので、使用する前に必ず確認しておきましょう。
3.「ホットカーペット」や「布団専用乾燥機」なら死滅できる?
ホットカーペットや布団専用乾燥機もダニ退治に役立ちます。ただし、全てのホットカーペットや布団専用乾燥機がダニ退治に役立つとは言い切れません。
なぜなら、商品やメーカーによって温度や性能が異なり、場合によってはダニ退治機能がなかったり、均等に50℃まで上がらない商品もあるためです。
そのため、ダニ対策としてホットカーペットや布団専用乾燥機を選ぶときには「50℃以上の高温がカーペット全体に行き渡るもの」を選ぶことが大切です。
50℃以上の高温であれば効果あり!
「高温」は、温度が高くなればなるほど即効性のダニ退治効果が見込まれ、50℃以上の高温にすることで効果的なダニ退治対策として使えます。
ただし、何でもとりあえず高温で対処しようとしてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうこともあります。
ここでは、高温でダニ退治をする際に注意しておきたいポイントについて紹介します。実際にダニ退治をする前に必ずこちらをお読みください。
気を付けるべき注意点
確かにダニ退治をするには50℃以上の高温での対策が一番で、高温であれば高温であるほどダニ退治の効果は見込めます。しかし、素材によっては熱に弱く、高温で劣化してしまったり傷んでしまったりするものもあります。
そのため、高温でダニ対策をする場合は、素材が50℃以上の高温に対応しているのか、必ず事前にチェックをしましょう。
また、洗濯乾燥機やアイロンなどは、サイズが大きいものには使えない場合もあるため、アイテムによってはコインランドリーなど他の方法を考える必要もあります。
自身のライフスタイルに合わせて、効率の良いダニ退治の方法を見つけて実践するようにしましょう。
チリダニの死滅には「50℃以上の高温」が大切!
この記事では、ダニが死滅する温度や、高温でダニ退治をする方法について紹介しました。
確実にダニ退治をするためには、50℃以上の高温の環境を作ることが大切で、洗濯乾燥機やアイロン、布団専用乾燥機などの道具を使うことでその環境を作ることができます。
もちろん、今回ご紹介した方法はダニ退治の方法として有用ですが、自宅に洗濯乾燥機がない場合や、近くにコインランドリーがないといったケースもあるでしょう。
その場合は「ダニ捕りロボ」がおすすめです。
ダニ捕りロボは、自宅のダニが気になる場所に設置するたけで、ダニを捕獲・退治ができるダニ対策商品です。
手軽にできるダニ対策商品を探している方は、ダニ捕りロボを一度試してみてはいかがでしょうか?