1. 吸血性や寄生性のダニ

水、土壌、加えて動食物を生育環境とするダニを総称して「屋外ダニ」と言います。また、屋外ダニが鳥、ネズミ、ペットなどの動物などに外部寄生し、偶然屋内に侵入したダニを「迷入種」といいます。
迷入種は、希に寄生対象を人間に移行し、吸血被害を起こす場合もあります。その吸血によって、激しいカユミを伴うこともあります。

オオサシダニ科
イエダニ
(Ornithonyssus bacoti)
イエダニ
家ネズミに寄生する。人に移行し吸血被害が発生する場合もあります。
トリサシダニ
(Ornithonyssus sylviarum)
トリサシダニ
鳥類に寄生する。人に移行し吸血被害が発生する場合もあります。
シラミダニ科
シラミダニ
(Pyemotes sp.)
シラミダニ
昆虫に外部寄生する。ヒトに移行して激しいかゆみを伴うこともあります。
ヒゼンダニ科
ヒゼンダニ
(Sarcoptes scabiei var. hominis)
※ヒト寄生性
ヒゼンダニ
ヒトに内部寄生。疥癬(かいせん)症を引き起こします。ヒトの皮膚(角質層)にトンネルを掘って生息し、繁殖します。寄生ダニ数が多いとノルウェー疥癬となり、人から人へ接触感染します。

2. 感染症を引き起こすダニ

屋外ダニは、人や動物を刺す(刺咬)ときに病原体を媒介し感染症を引き起こす種類も存在しています。ダニによって媒介された感染症のことを「ダニ媒介性感染症」といいます。 代表的なダニは、マダニ科、ツツガムシ科です。

マダニ科
(Ixodidae)
マダニ
哺乳類、鳥類、爬虫類に寄生し、吸血の際に様々な病原体を媒介します。体長2mm~7mmと大型。
ツツガムシ科
(Trombiculidae)
ツツガムシ
動物寄生期を除いて落葉層や地中の浅いところで生活し、昆虫卵をおもな栄養素とします。

ダニ媒介性感染症

ダニ媒介性感染症には以下のものがあります。

  • ライム病
  • 回帰熱
  • リケッチア感染症
  • つつが虫病
  • 重症熱性血小板症候群(SFTS)

などです。