家屋内で一生過ごすダニを総称して「屋内ダニ」と言います。 主に寝具(ベッド・敷布団)や敷物(カーペットやじゅうたん)、布製ソファ、畳、衣類、食品などに生息しています。 日本で屋内ダニが増加したのは1960年代の高度経済成長期からと言われており、「木と紙」でできた風通しの良い家屋から、 鉄筋コンクリートでできた団地やマンションなどの密閉された住宅が増えたことが原因と考えられています。

1. アレルギーの原因となるダニ

チリダニ科

「チリダニ科」は屋内で最も高い頻度で検出されるダニで、その多くは「コナヒョウヒダニ」「ヤケヒョウヒダニ」の2種類となります。 また、これらのダニの糞や死骸はアレルゲンであり、通年性アレルギー疾患を引き起こす原因でもあります。

ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus:Der p)

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ヤケヒョウヒダニ メス 実体写真
メス
ヤケヒョウヒダニ オス 実体写真
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ヤケヒョウヒダニ メス 光学写真
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ヤケヒョウヒダニ オス 光学写真
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コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae:Der f)

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コナヒョウヒダニ メス 実体写真
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コナヒョウヒダニ オス 実体写真
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コナヒョウヒダニ メス 光学写真
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コナヒョウヒダニ オス 光学写真
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チリダニの繁殖条件

チリダニの繁殖条件
高温多湿 温度22℃〜28℃ 湿度60~80%
エサが豊富 人の剥離物(髪の毛、フケ、垢など)、食べこぼしカス
潜り込める場所がある ベッド、布団、カーペットなど

チリダニのライフサイクル

チリダニは、卵から孵化した後、幼虫→前若虫→後若虫→成虫の順で成長していきます。 ヤケヒョウヒダニ(Der p)とコナヒョウヒダニ(Der f)では、それぞれのライフステージの日数が異なります。

チリダニの発育

ヤケヒョウヒダニのライフサイクル
ヤケヒョウヒダニ
コナヒョウヒダニのライフサイクル
コナヒョウヒダニ

※ d=日数

チリダニ 卵から孵化までの様子

チリダニは種類によって総産卵数が異なります。これは2種のライフサイクル中の成虫期間の違いが影響しています。

種類 成虫期間 総産卵数
ヤケヒョウヒダニ(Der p) 70~180日 50~90個
コナヒョウヒダニ(Der f) 60~90日 60~80個

卵から孵化までの様子

※ コナヒョウヒダニ a: anterior(前部), p: posterior(後部)

2. 刺され(かゆみ)の原因となるダニ

ツメダニ科

ツメダニは他のダニや昆虫を捕食するため、その餌となるチリダニなどが大量に発生した際、二次的に発生する可能性があります。稀に人を刺し、かゆみを引き起こします。

ミナミツメダニ(Chelacaropsis moorei)

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ミナミツメダニ メス 実体写真
メス
ミナミツメダニ オス 実体写真
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ミナミツメダニ メス 光学写真
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ミナミツメダニ オス 光学写真
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3. 屋内に生息するその他のダニ

チリダニやツメダニ以外にも、様々なダニが屋内で生息しています。

ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)

世界共通種で、各種食品にて多く見られます。日本では畳や藁で大量に発生することもあります。

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ケナガコナダニ メス 実体写真
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ケナガコナダニ オス 実体写真
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ケナガコナダニ メス 光学写真
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ケナガコナダニ メス 光学写真
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サヤアシニクダニ(Lepidoglyphus destructor)

世界共通種で、貯穀物で見られ大量に発生することもあります。

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サヤアシニクダニ メス 実体写真
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サヤアシニクダニ メス 光学写真
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サヤアシニクダニ メス 光学写真
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ナミホコリダニ(Tarsonemus granarius)

ハウスダストからの検出頻度が高い傾向があります。生態について未知の部分が多いとされています。

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サヤアシニクダニ メス 実体写真
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