実験目的

ダニ捕りロボやダニ捕りマットに使用されている誘引剤のダニ乾燥ミイラ化効果による退治時間を検証する。

実験手順

調査した試料:ダニ捕りロボやダニ捕りマットに使用されている誘引剤
調査に用いたダニ種:ヤケヒョウヒダニ

⑴ マイクロチューブに誘引剤および約100匹のダニを播種した。
 接触時間:15, 60, 120, 180, 240, 300, 360分

⑵ 一定時間経過後に誘引剤とダニを回収し、洗い出しおよび飽和食塩水浮遊法にてダニを分離した後、光学顕微鏡でダニの状態を観察/計測した。

実験結果

ダニ捕りロボやダニ捕りマットに配合された誘引剤の乾燥ミイラ化効果による退治時間を調査した。各時間の乾燥退治率は以下の式で算出した。

乾燥退治率 (%) = 乾燥退治されたダニ数 (匹) ÷ 全ダニ数 (匹) × 100

調査結果として、各時間の乾燥退治率を次のFigに示した。

誘引剤のダニ乾燥退治率

この結果より、誘引剤に捕獲されたダニはわずか15分で50%に近いのダニが乾燥ミイラ化効果で退治されていた。

さらに、2時間で90%程度のダニを、 6時間で100%のダニを乾燥ミイラ化効果で退治できることが明らかとなった。

ダニはエサがなくても1〜2週間程度は生育が可能であることから、 ダニ捕りロボの乾燥ミイラ化効果は非常に短時間で起こるものと推察された。

まとめ

日本で検出されるヒョウヒダニ(以下、チリダニ)は主にヤケヒョウヒダニおよびコナヒョウヒダニの2種類で、これらのダニの死骸や、特にフンがアレルギーの原因となる。

基本的にダニが生きている限りはフンが放出され続けるため、可能な限り短時間でダニを退治することが望ましい

そうした背景の中、誘引剤のダニを乾燥ミイラ化効果による退治時間および退治率を調査した。

15分で約50%のダニを乾燥ミイラ化退治
120分で約90%のダニを乾燥ミイラ化退治
360分で100%のダニを乾燥ミイラ化退治

以上の結果より、エサがない状態でも1〜2週間生き続けるダニを、ダニ捕りロボやダニ捕りマットに使用されている誘引剤は、 接触後数分から十数分で乾燥ミイラ化効果による退治を開始し、数時間で乾燥退治率100%を発揮することが明らかとなった。