1.人にカユミをあたえるダニは?

屋内で人を刺すダニの代表格は「ツメダニ類」です。

ツメダニがチリダニを食べている写真

ツメダニは、チャタテムシなどの昆虫やチリダニなどの他のダニをエサとしています。 エサとなる昆虫やダニが大量に発生すると、ツメダニの発生頻度が高くなります。また、ツメダニは人を偶発的に刺すこともあります。

チリダニが増えるとツメダニが増加する

1-1.ツメダニによるカユミの被害

ツメダニによるカユミは、刺されてもすぐには反応が現れない遅延型アレルギー(Ⅳ型)です。 Ⅳ型反応は、アレルゲンがリンパ球と反応しても抗体は作られませんが、リンパ球が活性化されたことによって活性物質が放出され皮膚が炎症反応を起こします。 アレルゲンがヒトの体内に入り込んでから反応が出るまで、数時間から数日かかるので(5時間~48時間後)遅延型と言います。
刺された場所が他の場所であったとしても、カユミや腫れの症状の出始めが自宅であった場合、自宅で刺されたと誤認することがあります。 また、ツメダニなどのダニに刺されて、「チクリとした感覚があった」という話をよく耳にしますが、ツメダニに刺されても、刺された感覚はありません。 その場合はダニ以外の他の昆虫等の可能性が考えられます。

人にカユミを与えるメカニズム

  • ①ツメダニに刺される
    ⇒アレルギーの原因である「アレルゲン」が体内に入る。
  • ②ツメダニの分泌した、ダニアレルゲンをマクロファージが調べる
    ⇒体内に入ってきた異物を捕食する「マクロファージ」がダニアレルゲンをとり込む。
  • ③調べた情報を、免疫機能を持つ細胞に伝える
    ⇒マクロファージが免疫機能を持つTリンパ球を刺激し、情報を伝達する。
    ⇒刺激されたTリンパ球は、化学物質(リンフォカイン)を分泌し、炎症(カユミ)が
     起こる。

人にカユミを与えるメカニズムの図