非常に寒くなる「冬」。いろいろな生き物にとって、10℃未満は生死に関わります。
実際、春や夏や秋に見られた多くの生き物(特に昆虫類など)は、「冬」には全くと言っていいほど見られなくなります。
けれども不思議なのは、どこに隠れていたのか、次のシーズンにはその季節に応じた生き物が出現して季節を彩ります。
これの意味することは、その生物にあった越冬できるシステムを持っているということです。
例えば、有名なのは「冬眠」です。
狭義では一部の恒温動物(熊など)、広義では一部の節足動物(昆虫など)などが越冬のためのシステムとして採用しています。
その他、卵や蛹の状態で越冬する生物や、暖かい場所に移動する渡り鳥も挙げられます。
それでは、「ダニ」はどのように越冬しているのでしょうか?
今回は、家屋内の優占種で、アレルギー性疾患の主要原因の一つである「チリダニ」にフォーカスし、その越冬についてお伝えします。
1. チリダニの越冬システムが存在する?
チリダニの生育ステージは、「卵」「幼虫」「前若虫」「後若虫」「成虫」の5段階に分かれます。
この5つのステージで、どの段階が越冬に深く関係しているのでしょうか?
基本的に、チリダニの卵から成虫までの発育にかかる日数は約30日とされています。
しかし、ある条件になると「数ヵ月間も脱皮せずに発育を休止する前若虫が出現する」と報告されています。
この若虫は時期に関わらず出現し、また、水分透過性および酸素消費量が著しく低く、不適切な環境に対する適応型であると考えられているようです。
そのため、この若虫は「長期発育休止前若虫」とよばれ、この形態で越冬後、適した環境を感じ取って、休眠状態を終結するとされています。
2. 「長期発育休止前若虫」を引き起こす要因は?
例えば、一部の細菌は栄養素がなくなると休眠細胞である「胞子」を形成し、その飢餓状態を乗り越えることが報告されています。
それでは、チリダニが「長期発育休止前若虫」となる要因はなんでしょうか?
実は、栄養素や温湿度ではなく、「個体群密度」とされています。個体群密度と難しそうな言葉ですが、簡単に言うと、その空間にいるチリダニ数(=密度)です。
この「個体群密度」が上がると、「長期発育休止前若虫」の出現率が上がると報告されています。
ただ、個別飼育したチリダニにおいても「長期発育休止前若虫」が出現することが報告されているため、
もしかすると、その出現機構には複数の経路があり、飢餓ストレスや温湿度ストレス等も一部関与しているかもしれません。
また、その他の特徴として、チリダニ類のうち「コナヒョウヒダニ」はこの形態をとりやすく、「ヤケヒョウヒダニ」はこの状態になりにくいことも報告されています。
いずれにしろ、「個体群密度」の増加が大きく関与していることは事実で、チリダニを越冬させない(チリダニを次のシーズンに持ち込ませない)ためにも、その個体数を減らすことが重要です。
では、その対策とは?
実は、難しく考えることはなく、日頃からダニ対策することが重要です。
各記事でお話ししているように、各対策には得意不得意があります。
そのため、一つのダニ対策を実施するのではなく、各対策を組み合わせて、
「ご自身のライフスタイルにあった継続できるダニ対策を実施する」ことが重要です。
大変なダニ対策では継続できないため、置くだけで簡単に生きたダニ対策ができる
「ダニ捕りロボ」や「ダニ捕りマット」を活用いただければと思います。
3. ダニが越冬できるその他の要因とは?
これまでは、チリダニの越冬システム「長期発育休止前若虫」についてお話しいたしましたが、その他にもチリダニが越冬できる要因があります。
それは、「人間の文明」です。
チリダニは人に最も身近な節足動物であり、その生息環境は屋内です。
そして、その屋内も、文明の発達によって、エアコンなどの暖房器具で人にとって快適な温度(25℃程度)を冬でも保つことが容易です。
そのため、環境によっては、夏よりも冬の方がダニによるアレルギー疾患が問題となることもあるようです。
これらの結果は、環境によっては、チリダニにとって快適な環境が年中維持されてしまい、どの時期においても繁殖可能になるということを意味しています。
そのため、エアコン等の暖房器具で、冬でも快適な環境としている方は、年間を通したダニ対策を心がけてください。
その時には、是非、「ダニ捕りロボ」や「ダニ捕りマット」をご使用いただければと思います。
【この記事で参考にした文献】
須藤千春; 彭城郁子. コナヒョウヒダニ前若虫における長期発育休止 (休眠) の誘導・持続・終結に関与する要因について. 衛生動物, 1990, 41.4: 375-381.
4. まとめ
- チリダニは「長期発育休止前若虫」と言う形態で越冬する
- 長期発育休止前若虫になる要因は「個体数(密度)の増加」が関係している
- 長期発育休止前若虫が終結する要因は「餌」「湿度」が関係している
- 文明の発達により、冬でも簡単に屋内環境を暖かく維持することが可能で、言い換えると、ダニにとっても快適な環境が年間を通して維持される。
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