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人間が生活しているところには必ずダニもいます。
特に「高い温度」「高い湿度」「豊富なエサ」が整った場所にダニは潜み、繁殖を繰り返しているのです。 でも、お家に潜むほとんどのダニは目では見えないため、繁殖していることに気がつかず、「ダニ刺され」や「ダニアレルギー」が起こってからダニ対策される方がほとんどです。
でも、ダニ刺されは激しいカユミを伴い、ダニアレルギーは長い期間にわたってその症状に悩まされます。
こうしたダニストレスをできる限り回避するためにも、正しくダニを退治することことが大切です。 そして、正しいダニ対策をするには、ダニに関する正しい知識が重要なのです。
特定の場所だけをダニ対策したとしても、他の場所で繁殖したダニが人の活動を通して移動するため、再びダニが増えてしまいます。
ダニがいる場所を理解し、 継続して対策することが「ダニ対策の基本」になります。
では、ダニは家屋内のどこに潜んでいるのでしょうか?
ダニ調査歴20年以上の日革研究所が、ダニ対策する際は必ず実施すべき「ダニが多い場所」をお伝えします。
布団や枕(寝具類)
就寝中に体から出る汗によって布団が湿り、人の体温で布団が温められるため、布団内部の温湿度が高くなります。 また、1日の生活の中で約1/3を過ごすため、ダニのエサとなる人のフケやアカが溜まりやすい場所です。
そのため、布団(特に敷布団)はダニが最も繁殖しやすい環境です。 さらに、就寝時に衣類に覆われていない首や頭がある枕もダニが増えやすい寝具です。
では、ベッドを使った洋式の就寝スタイルと、畳や床面に布団を敷く日本式の就寝スタイルで、ダニの増えやすさは異なるのでしょうか?
実は、畳やカーペットなどの床面にもダニが多いため、布団を床に敷く日本式の方がダニが増えやすい傾向にあります。 また、就寝時の寝汗などの逃げ場がなく、湿度が高くなりやすいこともダニが多い原因の一つです。
- 高温高湿でエサが豊富にある
- 直接皮膚と接触する枕もエサが溜まりやすい
- 布団を敷いて就寝する日本式の方がダニに快適
ベビーベッド・子ども部屋
赤ちゃんや子どもは大人と比べて新陳代謝が良くよく汗をかきます(湿度の補填)。 また、表皮が角質層になって剥がれ落ちる皮膚のターンオーバーの周期も短いために、皮膚の剥離物が多く出ます(エサの補填)。
そして、赤ちゃんは生まれてから数ヶ月間は体温が0.3-0.5℃高く、また、体温調節機能が未熟なことから環境温(赤ちゃんの体を取り巻く温度) を適正に維持するために、その布団環境を暖かく保温する傾向にあります(温度の補填)。
このように、「温度」「湿度」とも高くなり、「エサ」もある環境なのでダニが繁殖しやすい場所になります。
ダニが繁殖しやすい環境であるにもかかわらず、乳幼児や子供はダニが原因のアレルギーになりやすいため、子供のためにもダニ対策するようにしましょう。
- 新陳代謝の良さがダニに快適な環境を生み出す
- 子ども特有の食べこぼし等はダニのエサになる
- 子ども(特に乳児)のためにダニ対策は必須
カーペット・じゅうたん
カーペットやラグ、じゅうたんは多くの人が生活する共有のスペースに置かれていることが多いです。 そのため、カーペット上にいる滞在時間が長かったり、 食事やお菓子を食べたりするため、フケやアカなどの皮膚剥離物や食べこぼしが蓄積します。
加えて、寝具類も同様ですが、カーペットやじゅうたんの生地はダニが潜ることができる環境で、 掃除機がけでも生きたダニを完全に除去できないとされています。 また、カーペットやじゅうたんは表面だけでなく裏面にもダニが潜むため、特に生きたダニの対策が難しい場所です。
そのため、アレルギーの子どもがいる家庭ではカーペット・じゅうたんの撤去が推奨されています。
- 食べこぼし等のエサがとても溜まりやすい環境
- 裏面のダニの繁殖も含めてダニのコントロールが非常に難しい
- ご家庭によっては布団よりもカーペットの方がダニが多い
ソファ
多くの人が生活する共有スペースに設置されていることが多く、お菓子を食べたり、長時間過ごしたりすることもあり、ダニのエサが蓄積しやすい場所です。 また、ダニが潜りやすい生地や構造であるため、ダニが増えやすい特徴を兼ね備えています。 さらには、掃除機がけなどのお掃除の頻度が非常に少ないこともダニが多い原因です。
布団やカーペットに比べるとダニが少ない傾向が見られるものの、それでも他の場所に比べてダニが多い場所で、ご家庭によってはダニが最も多い場所であったります。
ちなみに、ダニが繁殖しやすいのは布製のソファです。革製のソファはダニが潜ることができないため、ダニが繁殖しにくい特徴があります。
- カーペットやじゅうたんと同じ理由でダニが多い
- 掃除やお手入れの頻度が少ないのもダニが多い原因
- 革製のソファはダニが繁殖しにくい
クローゼット・押入れ
クローゼットや押入れは、開閉の回数が少ないため内部に湿度がこもりやすくなっています。 また、掃除の頻度が少ないため、ホコリなどのハウスダスト(ダニのエサ)も溜まりやすく、ダニが増えやすい環境の一つです。
布団内部で繁殖したダニが押入れの中で拡散し、押入れや収納してあるものがダニで汚染される可能性があるので注意が必要です。
- 湿気やホコリなどのハウスダストが溜まりやすい
- 収納後の布団からダニが拡散する
- 収納する布団や衣類に付着するダニの対策も必要
まとめ
この記事では、ダニが多い場所についてお伝えいたしました。
ご家庭でダニの多い場所は異なりますが、「布団などの寝具」や「カーペット・じゅうたん」が最も多く、次いで「ソファ」や「押入れやクローゼット」が多くなる傾向にあります。
しかし、この記事では紹介しなかった、ペット周りの環境や鞄/小物入れ、食品庫、靴箱などにおいても1,000匹以上のダニが確認されることもあります。
ただ、こうした場所全てのダニ対策は肉体的にも精神的にも負担がかかります。特に、ダニ対策において最も大切なことは「継続」することなので、
大きな負担は「継続」の妨げになります。
そのため、最初は自分のペースでダニ対策を始めることが大切です。
また、ダニ対策を始める際は、「布団やベビーベッドなどの寝具」や「カーペットやじゅうたん」「ソファ」といったダニが多い場所から始めるようにしましょう。 特に、「布団などの寝具」や「カーペット・じゅうたん」は人が過ごす時間が長いため、ダニによる健康被害のリスクが高く、ダニ対策には欠かせない場所です。
そして、ご自身の中で布団やカーペットのダニ対策が生活の一部となった後に、対策する場所を広げるようにしましょう。