チリダニとは
ダニは、日本には約2000種類存在しています(世界では推定50000種類以上)。
そのうちの40 ~ 50 種類が屋内に生息していると言われますが、総数の80%以上はチリダニと呼ばれるアレルギーの原因となるダニが占めています。
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図. 敷布団表面のダニの構成比率
「住まい Q&A 寝室・寝具のダニ・カビ汚染(井上書院)」より引用
チリダニは身近な存在
チリダニと人の生活環境は非常に密接に関係しています。それは、私たちが快適だと感じている環境は、ダニにとっても快適で、繁殖しやすい環境なのです。
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大きさ
チリダニはおよそ0.2mmで、肉眼で肉眼で「ダニ」と認識するのは困難な大きさです。
左図の10円玉との比較で、その小ささがよくわかります。そのため、お客様のご家庭にダニがいるかいないのかを判断をすることは難しいのです。
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繁殖しやすい条件と環境
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つまりチリダニの繁殖条件が整いやすい場所として、寝具・じゅうたん・ソファが該当し、同時に、チリダニ汚染度が高い場所の上位となっています。
特に寝具にはチリダニが多い
人の体温と発汗で温湿度が高くなる寝具は、チリダニのエサでもある人のフケや垢が堆積すしやすい場所でもあるので、ダニが繁殖するのに最適な環境です。
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チリダニは喘息や通年性アレルギーの主要な原因
今日、日本国民の2人に1人が、皮膚・呼吸器・眼鼻のいずれかでアレルギー症状に悩まされています。*1
特に、喘息患者においてはダニアレルゲンに対する陽性率は80%以上と報告されています。*2
*1 (平成23年8月 厚生労働省 リウマチ・アレルギー対策委員会報告書より)
*2 奥田稔「アレルギー性鼻炎における昆虫アレルギーの全国調査」
ダニアレルゲンが原因で起こる主な症状
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アレルギー性結膜炎
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気管支喘息
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アトピー性皮膚炎
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アレルギー性鼻炎
チリダニのフンや死がいはアレルギーの原因物質であるアレルゲン(ダニアレルゲン)です。 特に、チリダニのフンが主要なダニアレルゲンで、乾燥すると粉々に砕け散り、空気中に舞い上がりやすく、チリダニによるアレルギー性疾患の主な原因とされています。
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チリダニの虫体(0.2mm)よりもダニアレルゲンは微小なため、目視での確認は不可能です。 また、チリダニが存在すればダニアレルゲンが増えるため、アレルギーの発症リスクを下げるためにも、日頃から継続的な対策を行うことを推奨します。
チリダニのアレルゲンと季節の関係性
一般的には、夏場の高温多湿がダニが増える大きな要因と言われています。
チリダニの匹数及びそのアレルゲンと季節の関係性を見ていきましょう。
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このように「温度」及び「湿度」の上昇に伴い、ダニ匹数が増加し、続いてダニアレルゲン量が増加します。ただ、ご家庭のライフスタイルや住宅環境によって異なることもありますが、 昨今では、気密性の高い住宅やエアコン等の暖房器具が普及しており、時期に関係なくダニが繁殖する恐れがあり、お掃除等のダニ対策をいつも心がけるようにしましょう。
チリダニを増やさないための環境づくり
家庭におけるダニアレルゲンの汚染基準
一つの目安として、世界保健機構(WHO)が「室内のダニアレルゲンの汚染基準」を下図のように定めています。
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生きているチリダニの対策
チリダニを減らす環境づくりが、効果的な「ダニ対策」となります。
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ダニアレルゲンの対策
生きたダニと同様にダニアレルゲンの対策も重要です。アレルゲン対策として、「洗濯」や「掃除機がけ」は効果的な方法ですが、アレルゲンの種類によって効果的な方法が異なります。
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フン由来のダニアレルゲンは水に溶けやすく、洗濯等の水洗いは非常に効果的です。
また、「洗濯機がけ」については、天日干しした後、「掃除機がけ」を行うことが重要です。
一匹のダニは生涯で約400 〜 500個のフンをします。生きたダニがいればいるほどフン(アレルゲン)が増えます。根本的なダニ対策は生きたダニそのものを減らすことです。
家庭でできるダニを増やさない掃除方法
家庭でできるダニを増やさない掃除方法については、下記のページをご覧ください。
まとめ
ここではチリダニの対策方法やその目的や効果などをお伝えしてきました。効果的なチリダニの対策はその生息環境を知ることから始まります。 忙しい毎日を送る私たちにとって、無理をしない程度で効果的で長期的なダニ対策をしていただくためにも、ご自身のライフスタイルにあったダニ対策を見つけることが最も重要です。
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